boban10ban’s diary

ごく普通の41歳のサラリーマンが、日々のあれこれをつぶやいております。

本の感想

【ぼくたちに、もうモノは必要ない】
佐々木典士著

 物を減らして暮らす事を始めて早3年。僕もこうしてみると著者と同じ「ミニマリスト」の端くれと勝手に自負してみたいと思ってます。

 この本に書かれているように、持っている物を吟味しながら必要な物だけを残して暮らす事は、大袈裟に言うのなら、それまでの生き方を変えるくらいのインパクトを与えてくれます。僕自身かつてそのように衝撃を受けてからというもの、気持ちのいい毎日を過ごす事ができるようになりました。
 生活にそれほど必要でもないのに、話についていけなくなるのを恐れて聴き続けた音楽とそのCD。高校時代の過去の栄光となった思い出のユニホーム(ボロボロ)。スマホに取って代わられたパソコン。単なる物置の机。僕の場合は、離婚によって強制的に廃棄に追い込まれた事情もありましたが、
「物がないってこんなに気が楽なんだ!」
と離婚翌日から晴れやかな気持ちになりました。本当に皮肉なもんです。

 翻って現在、実はこれほど晴れやかに集中できない生活をしている事が悩みなんです。

 最初はこのようなシンプル生活に「慣れ」てきたことで、より強い刺激を求め物を減らす事を目的にし始めるようになりました。その裏には転勤によって職場環境が変わったストレスにより、自分の精神的安定を求めていました。
「今よりもっと物を減らして、元に戻ろう!」
 でも、徐々に周りの人の仕事ぶりがだらしなく見え、人のアラばかりが見えてくるようになりました。確かに毎日掃除したり、物を買い漁るような事は控えたり、節度のある習慣は持続しておりましたが、気がついたら運転中に独り言で汚い言葉を使っていたり、またそれを衝動として抑えられなくなっていたのです。
 かつて感じたあの清々しい感覚。それを模索しながらの毎日に、ふっと出会ったこの本。本当の事を言うと、この本を読んで、自分の生き方を肯定して欲しかったような気がします。うまくいってない毎日が自分とは関係ない世界で起きていると慰めて欲しかったのかもしれません。

 でも、はっきりと前とは違う、今できてない事を再認識できました。それは、
「感謝」
でした。
 
 前は晴れても雨が降っても、ありがとうと言える気持ちが湧いてきたし、寝る前に必ず手を合わせて、その日一日と周りの人への感謝を表しておりました。でも、今はささくれ立った気持ちを反芻したまま眠りについて、深夜に目覚めてはまたそれを一瞬で思い出し覚醒し眠れなくなる毎日。
 やはりどこかにそうなる原因はあったんだなぁと、その根源を見つける事ができて良かったです。

 
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