boban10ban’s diary

ごく普通の41歳のサラリーマンが、日々のあれこれをつぶやいております。

本の感想

【海のグレートシャーニーと若者たち】
関野吉晴著

 とにかく圧倒されました。

 ほんの数週間前、テレビの番組を見て初めて関野吉晴さんを知るという、相変わらずの世間知らずを露呈したわけですが、30分ばかりの番組の中で、映像を交えて語る関野さんの生き様に、ただただ「やられた!」という感覚だけが残りました。
 そして本を読んで、なんというか打ちひしがれたような感覚が、大きく僕の体を占めています。
 関野さんの言葉で印象に残っているのが、
「・・・振り返ると、私はいつも初心者だった。」
確かにすごいバカな(関野さんにとってはよく言われるでしょうが敬意を込めております)偉業を次々とされているけれど、確かによく見ると未知の世界に常に挑戦しているわけなんですよね。そこで感じる心の揺らぎや気づきが大切だと、終始一貫して言われているのです。そして、最後の方で、
「・・・いつしか好奇心が磨耗して、気づきを失ってしまった。旅をしても、ドキュメンタリーを撮るにしても、ある程度の予想ができてしまうようになってしまっていた。」
と、海のグレートシャーニーへ赴くきっかけを話している。
 未知への挑戦というのは、賭けに例えると、小さく賭けたなら小さな気づきしかない。でも、大きな賭けに出たら、未曾有の気づきを得られる可能性がある。当然リスクを計算できる大人にとって恐怖を伴うと思うのですが、その恐怖を受け止める強さに僕は憧れます。
 翻って自分を見たときに、常に挑戦する心を持ちたいと、最近は僕にとって小さな賭けを仕掛け続けておりますが、その小ささときたら、目も当てられない。それを思い知らされて打ちひしがれてます。思えば全て自分の予定調和の中で生きてるに過ぎないんですよね。だから大きな感動も少ない。
 しかも、それが今に始まったわけではなく、小さい頃からの僕の癖なんだと思います。本の中で出てくる日本人クルーの言葉に、今の自分を重ねて見る事ができます。
「ぼくは、計算をして、一般的に正解と言われるような人生を求めているような気がしてしまって・・・。何がやりたいのか、いまは、まだちょっと・・・」

 ここでも、自分のテーマ
【恐怖】
が出てきます。まだ自分の掘り下げ方が足りないと感じました。どうやったら自分の恐怖の呪縛から解放されるのか、もっと真剣に取り組まないといけません。取り組むとは実践あるのみです。
 
 怖いと思うことをあえてやる。その連続する先に関野吉晴さんがいるのかもしれません。いきなり3段飛びしなくも・・・なんて思っていたけれど、本当にいっそのこと既成概念を打ち砕くくらいの経験を自分から得ていかないとダメですね。
幸いにも離婚という不可抗力によって、様々な心の揺らぎと気づきを得ることができました。そして時間とともに、その新しい価値観がいつの間にかぼくの制約になってきているような気がします。いままでは、新しい価値観に新鮮さと楽しみを覚えていましたが、それが普通になってきたら、それを守ろうとしている自分がいるんですよね。そして閉塞感に陥り、もがき、海外旅行へ行ってみたり、ジムに通ってみたり。
そもそもそれが違うのかもしれません。根本的に立つべき土俵を変える時なのかもしれません。

そんな多くの事を考えさせられ、また、答えも出せないままの状態です。
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