本の感想
【新しい市場のつくりかた】
三宅秀道著
商品であれサービスであれ、既存の社会に適合する商品(既存の市場にある商品)を提供し続けるのではなく、消費者が意図していないニーズに対応できる商品開発をしませんか?既にある市場のパイの奪い合いに巻き込まれ、疲弊してしまう前に、新しいパイを作りませんか?という主旨でありました。
新しい商品を作るということは、世の中にないものを社会に提供することです。その商品が新しい価値観や生活習慣を作り出すと、それは文化になり、世の中になくてはならないものになります。結果的に企業は開拓者として優位な立場を市場に築くことができます。
僕が2回目の社会人生活に向かう時、大風呂敷を敷いた言葉を思い出しました。
「新しい文化を作る為に仕事をします」
その文化とは、豊かな暮らしを求める日本人文化を作りたいということでした。世界に誇れる『暮らし』の文化。家の中にある家具は良い物を使う日本の文化。世界の人から憧れの目で見られる日本人の暮らし。そんなようなことを考えていました。今思い出してもその定義自体が曖昧で、聞いてもどんな世界が創造されるのかさっぱりわかりません。
でも、志の方向は決して間違っていなかったと思いました。ただ僕には創造したい世界のビジョンがぼやけているんだとわかりました。
この本はビジネス書の中でも指南書と言われるジャンルなのかもしれませんが、方法論を真似ても決してその通りにはならないでしょう。本の中でも書いていましたが、新しい市場というのは『混沌』としたもので新しい商品を作ろうとしても、どうやって社会の中に浸透させるかについて一つ一つ対応の仕方が違うのです。形式的な答えなんてない世界で勝負しませんか?それって楽しいですよ?と著者に言われている気がしました。