boban10ban’s diary

ごく普通の41歳のサラリーマンが、日々のあれこれをつぶやいております。

本の感想

太閤記

もう10回以上読んでいる、僕のバイブルのような本です。

  最初に読んだのは8年ほど前になります。営業に配属されて、毎日うだつの上がらない僕の仕事をある意味救ってくれた本でした。
  主人公の藤吉郎が秀吉になり、太閤になるまでの道程。まさに営業の鏡としてここまでやってきたように思います。信長という上司の嗜好から性格を理解しながら、自分の仕事をどのようにアピールししていくか、また相手先にはいかに利があるかを説き、味方に引き込む。時には死を覚悟して勝負に出る。もちろんそこには裏付けされた勝算を計算しながら。
  合戦に出る前には勝負がつくまで準備を怠らない。ここでは「調略」というキーワードで語られていますが、まさに営業の仕事そのものです。得意先の動向を調査し、望んでいること、されたら嫌なこと、そこに自分の仕事で提案できる案件を持ち出し、互いに利を分け合い、結果として自社の利益につなげる。会社の方針の先を読み次の手を打つ段階では自分をおいて他に適任者がいないところまで入り込み、いざ任された時には8割方仕事は形になっている。
  社内営業から対外折衝に至るまで、なんだか出来すぎたフィクションのようですが、これが歴史上の事実だったというのもまた面白いんです。
  ことあるごとに自分の仕事をこの秀吉のように振舞えているかと照合しながら仕事をしてきたことを思い出します。催事に臨む時には、墨俣一夜城のくだりにあるように夜な夜な工員や足軽に声をかけて回る藤吉郎の姿を真似てみました。「雰囲気が暗くなったらおしまい」(文章の正確さはすいません、わかりません)というのでとにかくはやし立てて活気のある催事にしようとしていました。自分の能力で無理があるなら、ムードメーカーを味方につけて競合他社までも味方になってもらえるようにやっていました。
  
自分としては、秀吉のような底抜けの明るさは持ち合わせていないので、まさにこの小説に引っ張られて仕事上の自分を演じてこれたと思います。

  次はこれを後輩に勧めてみたいとおもいます。はたしてどんな結果になるのか、楽しみです。

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