本の感想
【なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?】
小澤良介著
同じ「家具」を生業とする著者の本を読んでみようと思ったのは、僕よりも2歳若い方が社長として自分の思いを人に届けようとしている事について、果たして自分自身は一体何をしているんだ!?という反省を兼ねてのことでした。
思えば僕も「インテリア文化を創る」なんて事を標榜してこの業界に入ったわけです。本書にあるような北欧に見られる「いい家具を大事に長く使い続ける文化」を日本に根付かせたい。ひいては「自国の木を使う事で日本の森林環境も改善させちゃう」一挙両得を狙っておりました。あえて過去形なのは、そんな大風呂敷も思い出せないほど日々の仕事に埋没し、今日の数字、数字、数字、それしか興味が持てなくなりました。
かろうじて、著者の言うような快適な自分の家(部屋)は作れているという自負だけは持っています。しかし結局は自分1人の自己満足しか追う事ができなかったのかもしれません。