boban10ban’s diary

ごく普通の41歳のサラリーマンが、日々のあれこれをつぶやいております。

本の感想

三国志
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この三国志は2回目の購読でした。吉川英治さんの三国志も読みましたが、何というか北方謙三さんの男臭い三国志が好きなんです。

登場人物を徹底的に男に仕立て読ませてくれるので、史実というよりフィクションみたいに楽しめます。

曹操が逡巡する姿。
関羽孫権に打たせるのか。そういう考えが、どうしても滲み出てくる。関羽は、そういうかたちで打たれていい武将なのか。
  関羽という男は、呉との同盟に一片の疑いも抱いていないに違いない。(中略)
  信義というのは、関羽にとって絶対のものだ。」

「その関羽の背後を、いまから襲おうとしている。同盟とは男の約束なのか。だから関羽は、それを信じているのか。」

関羽という英傑を、屈服させるだけの大きな器でありたいと思い続けた曹操にとって、理にかない過ぎた戦略で打開を図る曹丕司馬懿の謀略は馴染まなかった。敵でありながら尊敬の念を持ち、かつ配下に組み入れたいと自分の美学を貫き通す曹操が、若い者たちの進言に屈する姿は
曹操、老いたな!」
と思わされました。

諸葛亮孔明司馬懿仲達の頭脳戦が繰り広げられる後半は、また違った味わいの物語のようです。2度楽しめる三国志

いやはや楽しい。

強さの象徴のような男達。その心の奥底にある悲しみや優しさを、丁寧に描いた物語。
無情にも訪れる死。
「彼らが死なないで生きていたなら」
なんていう想像するのも楽しいです。