W800カスタム〜序章最後〜
「好きなバイクとは何なのか!?」
その答えを求めてさまよい続けた2週間。
毎日のように、カスタムバイクの事例をネットで調べながら、ああでもない、こうでもない、と自問自答をする日々でした。
(ネット画像より転用)
(chopper journal 3月号より)
(ホームページより転用)
(ホームページより転用)
と、こんな感じで色々考えてみた自分の好きな形。いわゆる「chopper」スタイルだったり「bobber」スタイルだったり世の中にはすでに完成された歴史のあるバイクのスタイルというものがあります。そんなことも知らない僕なので、とにかく興味があれば拾い上げてストックしていったという毎日。
「おぉっ!これは!」
というバイクが見つかると、もうこれがBESTなバイクだと思ってみても、次の日にはまたかっこいいバイクが出てくる。探せば探すだけ出てくるんですよね。
そのうち自分が何をやりたいのかわけわからなくなる時間がくるんです。広げるだけ広げた興味の中から、そろそろ好きな要素を切り分けて分類していく作業が必要だと判断しました。
その中で譲れない「好きなポイント」を絞り込むと
【エンジン周りがスカスカのバイク】
というキーワードにたどり着きました。
ハーレーのバイクが奏でる重低音の響いた3拍子が、大型バイクに興味を抱いたきっかけでしたが、ハーレーのバイクは大きなVツインのエンジンが特徴で、それがどうもしっくりこない。だからw650のエンジンにこだわったわけですが、さらに突き詰めると限りなく装備品が削除されたシンプルなバイクが譲れないんだとわかりました。
「カッチョええなぁ〜」
それだけを頼りに、時には戦前のバイクを大阪まで見に行ってきたりもしました。いわゆる「ヴィンテージバイク」ってヤツですね。
僕には歴史の重みはイマイチわかりませんが、その昔まだバイクが自転車の延長線上からちょっと脱却した頃の何とも言えない無骨さがかっこいい。
で、自分で思い描く形を絵に描いてみました。
描き出してみると面白いもんで、無意識に思っていたポイントが表に出てくるんですね。
「ここはこれだな!」
とか、細部の表現に困ると例の好きなバイクストックから転用してみたり。そんなこんなでやってみたら、いい感じのバイクができました。
そして今日。KIDさんに行って
「こんな感じで作って欲しい!」
とお願いしてきました。
さあ。w800とはこれでお別れです。最後にピカピカに磨いたバイクをKIDさんに預けてきました。
(どうか高く売れますように・・・)
ここからはw650に乗り換えて、究極の自分バイク製作に向かって始動します。
そうそう、肝心なことを何も聞いていなかったので、最後に質問。
「ところで、出来上がりっていつくらいになりますか?」
「実は工場が移転するんですよ」
(おおっ??)
「5月に移転するんで、そこからスタートになります。」
ふむふむ。
「だいたい3ヶ月くらいかかるんですけど大丈夫ですか?」
うんうん。
てことは。。。
「乗れるのは9月くらいですか?」
「ですね」
(・・・おぉ。そうか。。。)
夏。終わっちゃうやん。
まぁ、いっか。
これも何かの縁。
ちようど今年はKIDさんの飛躍の年なんですね。聞くところでは、今の工場で1人でされて8年になるそうです。地道に続けてこられたカスタム道。もしかしたら僕はその新しい工場の第一号の製作品を作ってもらえる客になるかもしれないんですね。