boban10ban’s diary

ごく普通の41歳のサラリーマンが、日々のあれこれをつぶやいております。

W800カスタム〜序章4〜

2月20日
雨が降ったりやんだりの不安定な天気。
バイクに乗ってKID custom factoryに行ってみました。

散々道に迷って見つけたのがこちら。
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(ホームページより借用)

「んっ!?」

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(ホームページより借用)

ちょっとびっくりするくらいの簡素な造りのお店で、中の様子が伺えず正直ビビりました。バイクカスタムといえばハーレーだし、ハーレーといえばいかつい男たちがタトゥーを全身に入れて、髭を生やし威嚇するような『悪』の結晶のイメージ。そういえば1人で工場をやっていると言っていたしなぁ、どうしよう、入ったらそんないかつい男たちがお店に集まっていて、地元のスナックに紛れ込んだ場違いな客みたいに「ジロッ」と見られて、「誰だお前?」という無言の圧力がかかったら、僕はどんな顔していたらいいのか?。小さそうなお店だしなぁ、5人くらいに囲まれたら怖いなぁとか。いやいや、もしかしたら中にいるのはハーレーマニアのオーナーで、ハーレーの話を3時間くらい聞かされたらどうしようとか、お店の周りをぐるぐると2周して、それでも入る決断ができず、
「そうだ!ここは一旦コンビニに行って落ち着こう」
と近くのセブンイレブンに入ったという、なんとも情けない話なのであります。

あまりに遮蔽された空間に、行こか戻ろか考えた挙句、勇気を出して訪問しました。


扉を開けて中を覗くと、予想に反して誰もいない。
(良かった)
ちょっと安堵しつつ
「あのぉ・・・すいません」
と振り絞った声も緊張のためかすれて、誰にも届いていない様子。
(留守か?)
と違う扉に手をかけた瞬間、人が出てくる!
タトゥーか!
髭か!
出てきたのは、若い(若そうな)お兄さんでした。

先日メールした者だと前置きして話をさせてもらうと、本当に気さくな方でした。
(良かった)
胸をなでおろしていると、僕の乗ってきたW800を見ながらカスタムについて話をしてくれました。
「インジェクションはできることに制限がありますからね。キャブでやるならだいたいなんでもできますよ」
とハキハキと言う姿は職人さんのそれでした。

ふと昔の事を思い出しました。昔家具職人になりたいと学生に戻った時、全国の工房作家を巡った時のことを。みなさん口下手で排他的に話すあの姿を。どっちかっていうと
「そこに置いてある作品を見てくれりゃわかるだろ!?」
みたいな空気感を持っていて、なんだか素人の僕は気恥ずかしく思った記憶がありました。
でも、今日のオーナーは仕事への情熱みたいなものを感じてとても印象が良かったです。

1人で工場をやっているという話。僕の友人にも花屋を1人でやっていた人、家具工房を1人で今もやっている人。自分の思いを1人で世に問うている人がいるんです。外から見ていて本当にすごいなぁと感心して見ています。
今日出会ったオーナーもきっとそういう気概を持った職人の1人なんですよね。きっと。