本の感想
【詩人のための量子力学】
レオンレーダーマン/クリストファーヒル著
著者の方はノーベル賞物理学者で書かれている内容は非常にわかりやすく配慮されていました。
しかし、物理を理解する土台が僕にはないのでしょう、なかなか難解な部分も多くて読み疲れました。
物理学の歴史の中で、古典物理学と量子論とで整合性の出ないことが多々あると述べられていました。不思議なもので、僕らが可視化できる世界の現象は古典物理学の理論をもってすれば狂いなく当てはまるのに、可視化できない原子や量子の世界ではその理論が当てはまらないという事実。かといって量子でしか説明のできない法則性もあり、世の中の発展にすでに量子は貢献しているという。
本当のことを言うと、量子に興味を持ったきっかけは、観察しないと物がそこにあるかないかを断定できないという骨子を科学として突き詰めているというのがとても面白いと感じたからでした。目の前にある物体を覆うと見えなくなる。でも僕らはまだそこにあると仮定しているが、たぶん量子力学では覆いをといて確認しなかったら、そこにあると断定できないという(はず)。
そういう話しはこの本にはあまりなかったので、もう少し他の本からも知識を得てみたいと思いました。