本の感想
【何を捨て何を残すかで人生は決まる】
本田直之著
本のタイトルにはキャッチーな言葉が使われて、出版社の思惑通り僕は新書コーナーで目を奪われたわけです。
先に読んだ堀江貴文さんの本にも通ずる事が多いと感じる内容でした。この時代若くして事業に成功した人には、共通する何かがあるもんだなぁと感じました。
「やりたい事を突き詰めて考えると、やるべき事とやらなくていい事が出てきて、それを自分の頭で考えて取捨選択の決断をして、自分の望む人生を歩んでください」
そんなメッセージを受け取りました。
堀江貴文さんは
「やりたい事をやっちゃいなよ」
と言い、
本田直之さんは
「やりたくない事はやらなくていい。本当にやりたい事・必要な事をやりましょう。」
と言います。
2人の意見の先にあるものは同じです。本田さんは本文全体を「しない・持たない」と否定語で私達に問題提起して、常識にとらわれた感覚を揺さぶり、読者の本当に大切にしているものは何かを考えさせるようになっていたと思います。
本田直之さんは対立軸に「他人が設定したあるべき姿」「やらされ仕事に代表される思考停止状態」を持ち出し、自分が生き方を自由に選択するんだぞと教えてくれています。
苫米地英人さんの「アファメーション」理論を容易に紹介している本を読んだ事があるのですが(内容に間違いがあっても悪しからず)、セルフイメージを守ろうとする脳の恒常性維持機能により人は同じ事・変わらない事を好むように仕組まれているらしいです。そのセルフイメージを植え付けているのはいわゆる世間というやつで、親だったりマスメディアだったり、そういう外的な情報で私達の「あるべき自分の姿」というのはできあがっています。
そのセルフイメージを守ろうと脳は人をコントロールするんです。だから人は積極的に「変わらない」選択を繰り返しているわけです。口では「変わりたい」と言いながらも、脳は変化を望んでいない。
しかもそのセルフイメージは誰かの扇動によってもたらされた価値観なんです。
と、前置きが長くなりましたが、つまり自分の頭で考えた「本当にやりたい事」というのは容易に実現できるわけではないのです。
そこで小さな抵抗というか、自分を見つめ直すのにいい機会が
「ルーティンを崩す」
というものだと思います。毎日の通勤に使う道を変えてみるとか、当たり前だと無自覚になっている日常にあえて疑問を呈する事で、自分の頭を使って考える機会が与えられるのではないでしょうか?
私自身以前から言うように「やりたい事って何じゃろか?」状態なので相変わらず結論は出ないのです。
でもでも、本田直之さんが書いていますように、毎日持って出ているカバンの中身をリセットするとか、自分の周りの小さな出来事についてあえて見直す事が、「やりたい事」へのスタートになり得るのかもしれません。それならできそうです。